Neutral 〜ニュートラル

50歳のうめめだかが感じたことやオフタイムのこと、好きな物のこと、趣味etcについてひとりごつ。  SINCE 2005.7.12

『P.S.アイラヴユー』読みました

200902051410000  先日、この本セシリア・アハーン著で林真理子訳(珍しいですね。)『P.S.アイラヴユー』を図書館から借りておきながら、あまり面白くないかな?とスロースタートだったために、返却期限までに読めずに面白くなってきた中盤のところで返却してしました。そして、今週になって手元に来たので、今度は一気に読みました。DVDのレンタル開始がもうすぐだと思うので、その前にぜひ読んでおきたいと思っていたのでした。とても読みやすい本でした。

 主人公のホリー♀は、愛する夫ゲリー♂を脳腫瘍で失い、失意の中暮らしています。仕事もなく、誰とも会う気もせず、家の中にこもる日々を過ごしていました。

 そんなある日、彼女の実家に亡くなったゲリーからの小包が届き、そこには封筒に入った10通の手紙がありました。

 そのゲリーからの手紙には毎月一通づつ開けるようにあり、彼女は毎月1日になると矢も盾もたまらずその封を切るのでした。そのカードには、まるで彼女の生活を見透かしたような彼女に対する短いけれど、心のこもったメッセージが書いてあるのでした。

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 彼女は手紙の言葉に導かれるように行動します。夏には手紙とともに、ゲリーはホリーにその親友のシャロンデニーズとともにスペインのランサロテのバカンスを用意していたりします。彼の言葉によって彼女は少し背中を押され、生きていくことに前向きになろうとやっと思えるようになっていく過程がよく描かれています。

 そんなホリーを支えてくれた彼女の家族たちや親友シャロンデニーズ、だんだんと気になっていくダニエルなど、周囲の人々との関係も読みどころでもあります。

 特に女友達であるシャロンデニーズは常に彼女のそばで、親身に話を聞き、一緒に馬鹿ふざけをしてくれたり、女友達っていいなって思える存在です。ですが、シャロンの出産、デニーズの結婚を前にとても自分のことのように嬉しいのに、素直に喜ぶことができないホリーでもあります。そんな自分が時にはいやになり、友人とぶつかりながら、でも少しづつゲリーがいなくても生きていくということを模索していくのです。

 私が注目したのは、この女友達との関係。親友というのは常にライバルであるのかもしれません。いつもとても気になる存在で、いつでも同じ舞台で気になりながら過ごしていたい。よくわかりすぎるゆえにホリーのように複雑な気持ちを抱くのではないのでしょうか。

 ホリーは不特定多数の人に憐みの目で見られたり、慰められるのがいやで人目に触れず過ごしていました。でも近くに住んでいるのに、慰めに来てくれないなんて友達甲斐がないとも言います。改めて友人との関係、距離感というのは難しいと思ったのでした。

 状況は違えど、私も同じような気持ちになったことがあって、友人たちが子供を産み、母になっていく。とても嬉しいのに、素直に喜べない時期がありました。私の場合はそっとしておいてもらうことを望みました。だから、逆の立場だったら、そっとしておいてあげて、少し離れたところから見守ってあげるというのがいいのではないかと思っています。この話のホリーとは似ているところもあるけれど、ちょっと違う考えです。真の友人はそばにいるって思うんです。会えない時には心の中に。たとえ今は会えなくても友は戻ってくる。それぞれの友情の感じ方はさまざまです。私の友たちは理解してくれているだろうか、たぶんいるよね、と...。そんなことをこの本を読みながら考えました。

 話はそれましたが、そんな友人との関係や、だんだんと気になりだすダニエルとの関係も話の展開としては気になります。ホリーの約10か月という時間の経過を読むことで、結局は時間が物事を解決するんだと改めて感じるのでした。

 映画はどんな風に表現されているのでしょうか?気になるところです。