見る価値あり
今日、映画『サヨナライツカ』を高校時代の友人と見てきました。久々の再会とママ休暇でした。
原作は私が高校時代からファンである辻仁成さん。邦画を映画館に見に行くのは久しぶりでした。あまり期待をせずに行きましたが、すごく良かった。泣いてしまいました。
原作は何年か前に読んでいて、良かった印象がもちろんあったのですが、内容を結構忘れていて、映画を見ながら思い出しつつみました。新しく加えられた部分も明らかにあって原作を読んだ人にもお薦めです。色んなことを考えながらみてしまいました。
原作と最初はちょっと雰囲気が違うかなと思ってましたが、だんだんと東垣内豊演じる西島さんと沓子演じる中山美穂さんに引き込まれていって…。
人は愛しているのに愛していると言えないときがあるという切なさをじわりと感じ、そんな切なさに男泣きをする西島さんの姿をみて、私は涙してしまいました。男の人にもこういうせつなさがあるのだと、改めて思ってしまって。(男性の方、失礼しました。)
社長まで上り詰める豊は高度経済成長期の日本の男性らしく仕事を意欲的にしていく人物です。だから尚更、沓子と過ごした時間は彼の人生のほんの一時にしかなかった恋愛にうつつをぬかした時間だったのでしょう。こんなに仕事に成功しても、最後に思い出すのはかつて一時愛した女???謎は深いです。
石田ゆり子さん演じる豊の婚約者光子は原作よりもクローズアップされていたように感じます。より意味のある存在になっていて、光子の書いた詩の言葉が映画全体を引き締めた感がありました。静かながら強かというか、うちに秘めた強さを感じさせる女性です。
劇中に死ぬときに愛したことを思い出すか、愛されたことを思い出すかというようなセリフがでてきますが、意味深いセリフです。私ならやはり前者を選ぶだろうといまは思いますがどうなのでしょう。
映画の後に飲んだ2杯のビールで少し感動がぼやけてしまいました。あしからず。でも劇場に足を運んで見る価値ありだと思います。