Neutral 〜ニュートラル

50歳のうめめだかが感じたことやオフタイムのこと、好きな物のこと、趣味etcについてひとりごつ。  SINCE 2005.7.12

”モディリアーニと妻ジャンヌの物語展”に行きました

Main_v_2 今日は渋谷のBunkamuraザ・ミュージアムに行き、”モディリアーニと妻ジャンヌの物語展”を見てきました。

前から気になっていたモディリアーニの作品が生で見られるということで、今日は会社の友人と行きました。美術の教科書等で見ていたあのモディリアーニの絵が自分の目の前にあるというのは感動でした。

イタリアのリヴォルノでイタリア人とユダヤ人の父母の間に生まれたアメデオ・モディリアーニ(1884-1920)は病気がちな青年だった。療養のためナポリ、カプリ、アマルフィ、ローマ、ヴェネチアと暮らし、フィレンツェとその近くのカラーラでも生活した。その中でシモーネ・マルティーニらで有名なシエナ派に傾倒したという。36歳で生涯を閉じた。妻ジャンヌ・エピュテルヌも画家で彼のあとを追って彼の死後2日後に自らの生涯を閉じた。

その二人の作品が隔てなく交互に並んでいてテーマ性の高い展示の仕方だったし、空いていてとても見やすかった。日本でなく他の国の美術館で見ているような気になった。

妻のジャンヌの作品はあまり知られていないと思うが彼女は静物画と本の挿絵なども得意としていた。モディリアーニの作品のように正面から人物を見据えて描くスタイルもモディリアーニと刺激しあっているようで良かった。

今回の作品展の中ではリトアニア出身の画家スーチンをモディリアーニ、ジャンニともに描いていてその表現の違いも面白かった。妻ジャンヌの絵は背景も明るく柔らかいタッチで彼女の作品もなかなかいい。

19世紀後半から20世紀前半のモディリアーニと同じ時代を生きた画家藤田嗣治の作品展が昨年とても素晴らしかったし、藤田の話にも登場する画家のハイム・スーチンや画商のポール・ギヨームなどが出てくるのもつながりがあり、私にとっては興味深かった。

”青い目の女”は今回日本に来ていない。これはパリ市立近代美術館に行ってみるしかないらしい。残念!モディリアーニシエナ派に傾倒していたとは知らなかった私ですが、そう聞いて見てみると女性の顔の雰囲気や平面的な描き方はゴシック時代のシエナ派に共通するものを感じる気がして、ブルネレスキが見出したという遠近法の画法が使われる少し前のシモーネ・マルティーニの絵を思い出しながら見ていた。私の中での美術紀行の点と点がまた結ばれた感じで嬉しかった。

美術を見るって、専門的なことはわからなくても、すごくいい時間だと思う。本物の絵をみるとその画家の生きた時代背景や生き様を自然と知りたくなる。美術館での時間は自分が日本にいることを思わず忘れてしまう。なんだか充実した時間だった。日本でもこのくらいゆったりと、すっきりと鑑賞できる作品展とそういう美術館が増えてくれるといいなと思う。