Neutral 〜ニュートラル

50歳のうめめだかが感じたことやオフタイムのこと、好きな物のこと、趣味etcについてひとりごつ。  SINCE 2005.7.12

”100万回の言い訳”

 先日、読書解禁が27日までと書きましたが、キリがいいので今月末までに延ばした私(キリが良いというのは言い訳ですが)。先日、購入した文庫本はすべて読み終りました。ダン・ブラウンの『天使と悪魔』のことは少し書きましたが、唯川恵の『100万回の言い訳』は予想以上に面白かったです。私が読んだ彼女の作品の中で一番面白かったかも。

 あまり詳しいことはここでは書きませんが、この小説を読んで感じたことだけ書こうと思います。

 小説の中には自由でお金もそこそこに、魅力もあるという女性とそれとは全く逆の女性が出てくるんですが、前者は人生を何でも選択できる。でも後者には生活していくだけに精一杯で選択の余地がない。そして読み終わって”100万回の言い訳”っていう題名がこの話とどんな関わりがあるんだと一瞬思ったんですが、良く考えてみると、自由で何でもチョイス出来る主人公は、何でもチョイスできるばかりに、かえってチョイスできなくなっていて、何かをチョイスするときには“~だから”と他人に対してでなく、自分に向けて言い訳をつけようとする。だから“100万回の言い訳”かーと思ったわけです。

 それと対照的にチョイスを出来ない彼女が登場する場面のセリフはひたむきで、その周りの人たちのセリフもすごく温かくて、不覚にも涙が出てしまうんですよね。本を読んで涙するって、ここ最近なかったのですが...。

 この本の解説にあったように、そんな話を見ると、自由で何でもチョイスできることが幸せなのか??とも思ってしまうのですが、自分がどちらを選ぶかと言えば、私も間違いなく、前者の何でもチョイスできる人生の方がいいと思ってしまうのです。私って強欲ですね....。

 結局、結論は出ない話なんですが、なんだか考えてしまった私です。