裏パリを読む
先日、紀伊國屋でぶらぶらしつつ、外国の小説を扱ってるコーナーを見ていたところ、目に飛び込んできたのがこの”くそったれ、美しきパリの12ヶ月(A year in the MERDE)”。
読んでみたら、とっても面白い。イギリス人の主人公ポールがあるフランス企業に、フランスでの英国式ティーサロンの事業展開のためにヘッドハンティングされて、単身パリでの生活がはじまり、それをチャンスに「フランスの女性がはく申し分のない下着」に興味津々の彼の私生活が始まるというストーリー。
実話のような小説で、著者スティーヴン・クラークがたった200部を自費出版したところ口コミで広がり、フランスの新聞の書評に載ったことからベストセラーになったとのこと。
フランスならではの生活、恋愛、価値観。イギリス人の彼から見ると、はじめはとっても異文化に感じるが、そこで生きていると自分がそんな生活になじんですっかりパリジャンになりはじめている。
リズムが良くて、面白い。先日ウッディ・アレンの”タロットカード殺人事件”を見たけれど、そのスピード感と、ウィットに富んだ感じは何か通じるものがあるかも。
続編”Merde Actually”(題名はラブアクチュアリーのパクリとも...)もイギリスではペパーブックで出版されているようですが、残念ながらまだ日本では翻訳版が出ていません。早く読みたいところ。
私がこの本をいいと思うところは、日本語版の初版が出たのが2006年1月。だから、わりにタイムリーなフランスの政治、パリの話が描かれているのが古さを感じなくて、今を読んでいる気がして、とてもいい。
結構、笑えます。